野球に関わる仕事を目指す高校球児が増えているかも

昭和の時代は、男の子の将来のなりたい職業は「プロ野球選手」が上位に入っていました。毎日のようにテレビで巨人戦を中心にプロ野球中継もありました。

昭和と比べ令和の時代は、地上波でのNPBの中継は激減し、BSやCSあるいはネットを使って観るなど、多様な選択ができるようになっていますが、そもそもプロ野球は興味がないという学童野球選手も多くなった気がします。

将来はユーチューバーになりたいという小学生がいたりして、それはそれで映像技術の進歩に貢献する人材になっていくのかもしれません。

多くの選手は高校野球で競技としての野球を引退するといわれています。

高校卒業後は全く野球に関わらなくなる選手がいる一方で、野球に関わる仕事を目指す選手も増えてきたような印象があります。

高校野球の大会の運営に関わる高野連の先生方は朝早くから選手の安全にも配慮しつつ、スムーズな大会運営のため蓄積されたノウハウを活かし、活動されています。

選手のために協力している姿を観て、あるいは日々の練習の指導をする姿を観て、自分も教員になって中学・高校の野球の指導者になりたいというケースはこれまでも多かったものと思われます。

青森県では、高校球児が幼稚園を訪問して、野球の入口としてのティーボールなどを園児たちに体験してもらう取り組みが行われていますが、その取り組みによって教員を志望する高校生が増えたというお話を、指導者の先生からお聞きしたことがあります。

最近は野球に関連して身体のケアについての知識が広まってきたこともあってか、地元の消防本部で救急救命士や消防士として働き、学童野球の指導者もやりたいという選手がいましたし、医師・看護師・理学療法士・診療放射線技師といった医療系に進みたいという選手の話を聞くことが増えたように思います。

さらに医療とは微妙に異なる分野ですが、柔道整復師やアスレティックトレーナーになるという選手がいます。

これらは将来、野球選手の治療に関わっていく大切な仕事です。

 

野球に関わる仕事はそれ以外にも球場や周辺施設の整備であったり、甲子園でいえば阪神園芸のようなグラウンド整備であったり、野球用具の製造や販売の仕事であったり、テレビやラジオの中継に関わる仕事であったり、新聞やネットでの報道の記者や編集者だったり、多様です。職業ではなくても審判をされる方々も野球に関わる仕事といっていいかと思います。

 

高校野球から離れてみると、栃木には栃木ゴールデンブレーブスがありますが、会社として企画・営業・販売・映像制作など、野球に関わる仕事のシステムを形成して興行を行っています。多くの裏方の仕事があるのではないかと思います。

選手としては引退しても、野球をキーワードに社会とつながっていく人たちが増えていくことは、野球人口拡大につながっていくうえで大切かもしれません。

次の世代の選手を何らかの形で育てる役割を果たすかもしれないからです。

 

学童野球から高校野球まで選手を続けていきながらも、将来どんな仕事に就くか考えている選手も多いことと思います。

栃木県から甲子園に行けるのは、夏は1チームだけ、春は甲子園に行けない年もあるし、2校行けることはかなり難しいです。

新学期が始まり気持ちも新たにする時期ですが、どこの高校や大学に進むか、どこに就職するか、将来役に立つ資格や技術を身につけるか、次のステップあるいはさらに次のステップも考える時間もつくっていただければと思います。

野球で進学するとか、プロ野球を目指すという選手も高校生のなかにいるわけですが、そういった選手には、選手として活躍することに加えて、ケガや故障をしていないことも大切ですので、身体のケアについても意識を高めていただきたいと思います。

 

今後、栃木で野球に関わる仕事をしている方々のお話も紹介していければいいなと考えています。